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grey coffee,

つまり、カフェオレが好き

A Desperate Heroine

 

 

 

忘れられるはずのない臭い。

頬には温く、べたつく懐かしい不快感。

 

この不快感から、それでも永遠の美を夢見たこともあった。

...血の伯爵夫人。

そう呼ばれるまで、自らの欲を満たすためだけに、

ただひたすらに人を殺し続ける怪物に成り下がった、己の醜い生前。

でも今は。

今だけは救世主の従者。

命令を聞き入れる度に、消えるはずのない罪も、

赦されていくような錯覚さえ覚えた。

 

光にも等しく思えた救世主を、決して我が手で汚すまいと思っていたのに。

まさか、あなたがわたしを...また血塗れの怪物にするだなんて。

 

一体、これは、

 

「...何の、冗談かしら」

 

 

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スーサイド・シンドローム

 

世界を救いたい。

 

純粋にそう思っていたんだ。

少なくとも、あなたを召喚してしまうまでは。

 

血の伯爵夫人、カーミラ

エリザベート・バートリーの完全なる闇の側面。

そんなあなたに「光」だと言われたから。

どうしようもない闇に堕ちてしまったあなたを、

救えなくても、そばにいてあげたいと思ってから。

 

 

世界を救えたら。

自分の部屋で一人考えて、ふと浮かんだ、平穏な世界。

わたしが望んだはずのこれからの未来。

今のような戦いのない世界。

 

でも、その戦いのない世界というのは、ある1つの終わりも意味している。

この聖杯戦争が終われば、あなたともお別れなんだろう。

あなたは英霊で。わたしは人間で。

そうだ、別れは必然なんだ。

あなたは過去に生きていた人間で、わたしは今を生きている人間だから。

世界を救えたら、あなたとのこれまでの時間が終わる。

そうであるなら。

これからを生きるこの世界を救えたとしてーーー

...そこから先が思い描けない。

 

サーヴァントに恋をするなんて、間違っていたのかもしれない。

だけど、二度ともう忘れられない。

 

あなたがいないのなら、わたしの世界は破綻してしまう。

闇がなければ、光も存在できない。

 

わたしの隣りにあなたがいない世界なんて、本当は救いたくない。

でも、みんながわたしを、マスターを求めるから。

マスターはわたし1人しか、いないから。

 途中放棄なんてできるわけがない。

 

そもそもマスターであるということだけが、

ここにいるわたしの唯一の存在理由だ。

そうでなければわたしは「救世主」でも

「光」でも、なんでもない、

ただの一般人なんだから。

 

 

ねぇ。

 

わたしが世界を救ったら。

あなたは褒めてくれる?

あなたは笑ってくれる?

あなたは喜んでくれる?

いなくなってしまうその前に、

わたしに傷痕を残してくれる?

 

わたしは...ーーー

 

ある時から、思い描いた未来に自分の姿は映らなくなった。

そして劣等感も焦燥感も、恐怖さえ吹っ飛んで。

確かにわたしは、あなたの言う救世主になった。

 

 

怖いくらいに綺麗な、あなたのその白い肌。

わたしの願いが叶わないなら、

どうかあなたの最後は、わたしの最期で塗り潰してしまいたい。

 

...その時まで、わたしは救世主でいるから。

 

 

 

ーーーさて、そんな勇敢にも見て取れるような、

しかし、その実はただ自棄な、とある少女の救世奇譚。

 

 

 

四月バカです。

電波なSSを書きたかっただけです!

ありがとうございます。深い意味なんて皆無なのです。

バカをしても許される日、ですよね !?

 

では、

Leben Sie wohl!

 

2016-04-07追記:やだ、ヒロインのスペル、違ってたじゃん!!!恥ずか死!!!

ssって難しいよねっ!